Mission
自動車メーカー、およびその部品サプライヤーは、新車発売の後から生産が終了するまでの間、修理用の予備品を保持する必要がある。また、年式ごとに形状や素材が変わるものもある。X社では、その管理を昔ながらの帳票で行っていたため、作業ミスが発生する可能性がある。また、人の入れ替わりも多く、現場に不慣れな新人や応援作業者に行わなければならないレクチャーにかかる労力も大きな負担だった。
Solution
X社からのオーダーは、「部品の在庫管理をわかりやすいものにしたい」というシンプルなものだった。このとき、既に他のシステム会社が競合企業として優れたパッケージシステムを提案しており、ナ・デックスの置かれた状況は、決して有利とはいえなかった。しかし、いかに優れているとはいえ、パッケージ商品は、どの企業でも使える汎用性の高い機能を組み合わせただけのもので、現場ごとに異なる要望に、きめ細かく応えることはできない。「現場で、『使いにくい』と判断されたシステムは、作業者たちに敬遠される」。多くの現場でそうした話を聞いてきた営業のT.M.は、まず現場に足を運びヒアリングを行った。もともとX社では、生産時に部品の管理にQRコードを使用していたため、ナ・デックスの持つ製造業向けの様々なノウハウを活用することで、現場で使える安価なシステムを提供できる。現場もこれまでの延長上で作業ができるため、受け入れやすいはずだと考えた。
さらにY.S.が率いる技術チームがこだわったのは、「作業者目線」だ。スマホアプリのように、直感的に操作できる画面構成に近づければ、レクチャーの時間も大幅に短縮できる。
Value
X社での新システムに対する評価は高い。部品の在庫をシステム管理できるため、作業量は、大幅に削減でき、省力化に大きく貢献した。また、「作業者目線」を追求したことで、新人や応援スタッフだけでなく、外国人スタッフの早期戦力化にも役立っている。さらには、X社社内での業務改善事例としても発表されたことで、他の工場への導入や、新車の部品量産ラインへの展開が検討されている。